青山真理 公式ブログ

母からの命のプレゼント

先月、私のお誕生日のお祝いに母がランチに連れて行ってくれたのですが

そのとき、話の流れで思いがけないプレゼントをもらいました。

それは私のルーツの話。

小さい頃から繰り返し聞いてきた、よく知っている話なのですが、

久しぶりに、それもお誕生日に聞けたことが私にとって、とても大きなギフトだったのです。

一番大切な役割とは?

話は変わりますが、先日ある繋がりから、ネイティブアメリカンのリーダー夫婦の話をお聞きする機会がありました。

地元の方々からもコミュニティの長として絶大な信頼を受けている彼らは、古から伝わる叡智を今も守り続けて生活しているのだそうです。

そのお話の際に「女性の役割」について質問があったのですが、彼女はそれに対して

「食事を作り、家を綺麗に整え、うまくいくよう段取りをすることです」と答えました。

そしてもう一つ、女性にはとても大切な役割があり、それは

「先祖のことを子供達に語り伝えること」なのだと。

これに対して、ご主人が

「自分がどこからきたのか、ルーツを知ることは、自分がどこに向かうのかを教えてくれる」というようなことを付け加えました。

これ、すごくよく分かるんです。

ルーツは自分の存在の尊さを信じる土台

お誕生日のお祝いのランチの時に母が話してくれたのは、母自身、そして母の養父母、実父母、さらにはその家系についての話でした。

「真理に話すのは初めてかもしれないけど・・・」

「いやいや、小さい時からもう何回も聞いてるし!私めっちゃ覚えてるし!!笑」

「あれ?そうやったかな?」

相変わらず天然な母は、初めて話すかのように、また一から全部話してくれたのでした。笑

小さい頃、母にあまり絵本を読んでもらった記憶はないのですが、

その代わりに母の生い立ちや、お爺ちゃん、お婆ちゃんたちがどんな人だったのか、どんなことが好きで、どんな才能があって、どんなことをよく話していたかなど、

いろんなエピソードを交えながら話してくれました。

小さい頃はその母の話をもとに、子供の頃の母や、会ったこともないお爺ちゃんやお婆ちゃんの姿を想像するのがとても楽しかったのを覚えています。

それがいつしか、自分が惹かれるもの、ワクワクと血が騒ぐもの、

自分の内からどうしようもなく湧き上がってくる喜びや悲しみが

先祖たちの物語とも繋がっていることを知るようになります。

私はどこから来たのか?何者なのか?

それは自分のルーツを知ることで見えてくる。

そして、「今この瞬間の自分のことだけ」ではなくて、「何世代もの繋がりの中での自分」を感じた時に初めて、人は自分という存在(命)の大きさ、価値に気づきます。

さらには、自分がどこへ向かうのか、自分に与えられた(自分が選んできた)お役目も知ることになっていきます。

母は田舎に帰るとよく言われるそうです。

「あんなに辛いことばかりだったのに、どうして何度もここに帰ってきて、そんなに懐かしそうに、嬉しそうに、昔を愛おしむのか?」と。

母は言います。

「どんな過去であっても、そこに私のルーツがあるから。

私がなぜ生まれたのか、なぜこの環境で育ったのか、自分は一体何者なのか?

今この瞬間どうあるべきなのか、どこへ向かうのか?

それを教えてくれるのは自分のルーツだから。」

母はどんなに辛かった過去も善悪でジャッジするのではなく、それが自分にどんな恩恵を与えてくれているのかにフォーカスしながら、いつも自分の在り方を見つめてきました。

そうしながら、知らず知らずのうちに私に先祖たちのことを伝えていた・・・

そしてそれが、私が自分という存在の尊さを信じられる土台となっているのだと思うのです。

命はこうして繋がっていく

生きた証とは、名前を残すことでも、子供を残すことだけでもなくて

愛する人たちの思いや在り方の中で、ずっと生き続けていく

祖父母が父母を愛したように、父母は私を愛してくれ、私も同じように子供たちを愛し、またそれがさらに下の世代へと・・・

そう、私たちはそうやって、ずっと誰かの思いや在り方の中で生き続けていく。

「自分なんて大したことない」と、今この瞬間だけの自分しか見ずに生きた時、人はエゴになります。

でもたくさんの人たちとの繋がりのうちにある自分、何世代もの時を超えた繋がりの内にある自分を感じることができたら

どれだけ自分という一雫の存在に価値があるのか、影響力があるのかがわかるでしょう。

それに気づいたら決して自分を粗末に扱ったりなどできないはず。

繋がる全ての人を愛さずにはいられないはず。

だから

ルーツを伝えていくことは本当に大切な役割の一つなのです。

それは自分という存在を愛おしむこと。

命を活かし、繋ぐこと。

誕生という意味のある日に母からもう一度吹き込まれた私の命…

お母さん、ありがとう。

大切に繋いでいくね。

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