この3日間、主人が「出版のお祝いに二人で行こう」と誘ってくれた旅行に行ってきました。
目次
インスピレーションで始まった旅
「どこに行こうかなー」
みんなにお勧めのホテルをたくさん教えてもらってワクワクしていたのに、ふと浮かんだのはお勧めとは全く関係ない「鍾乳洞」というキーワードでした。
鍾乳洞といえば秋芳洞?龍泉洞?
うーん、でもどこもピンとこない。
しかもなんで鍾乳洞なんだろう??
よく分からないので鍾乳洞のことは無視して「どこにしようかなー」と思っていたら最後に入って来た情報が三重県の熊野古道でした。
その瞬間なぜか「あ、ここだ!」という気がして。
頭は「せっかくだから沖縄のハレクラニとか、屋久島のサンカラホテルに泊まりたいなぁ。それか、温泉地の料理旅館とか…」と言ってるのに、お腹は「絶対ここ!」って勝手に決めてる。笑
「あー、今回の旅の意図は、私の意思とは全く関係ないところにあるんだな」と気づきました。
何かに呼ばれている気がする…
ということで、私の「あそこ行きたい」「ここ行きたい」は置いといて、お腹の声(インスピレーション)に従うことにしました。
あの時のインスピレーションは気のせいじゃなかった
「よし、こうなったら熊野古道楽しんで歩こう!」と運動靴も新調し、「満点の星空も見るぞー」と張り切っていたのに、なんと3日とも100%の雨予報ーー!!
メインイベントの熊野古道ツアーはまさかの中止!!まじか・・
でも当日起きてみたらとってもいいお天気で。
車からの景色は山も川も本当に綺麗で、会話も弾み、ご機嫌でドライブを楽しんでいたところ、ふと主人が「あ、鍾乳洞やって」とボソッとつぶやきました。
「ええ!?鍾乳洞!?行く!行きたい!それ行くやつやねん!!」
「・・え?行きたいの?」
「うん、行く!」
鍾乳洞のことはすっかり忘れてたけど、やっぱり今回の旅に鍾乳洞は必須だったんだ!
近くには有名な鍾乳洞が二つあるみたいだけれど、私たちの目の前に現れたのはたいして有名でもなさそうな(?)小さな「不動窟鍾乳洞」
お客さんも私たち二人だけで、長い階段を降りてたどり着いた洞窟の前でおじさんに「中の電気が切れてるんです。だからこれ持って行ってください。」と懐中電灯を渡されるという…笑
え、私たち二人だけで行くの??
この鍾乳洞じゃなきゃだめだった
ここでなにやら主人の様子がおかしいことに気づきました。
そうだ、これまたすっかり忘れてたけど彼は極度の閉所恐怖症だったー!!
小さな洞窟なので入り口からすでに頭をぶつけそうな背の高い主人…
勇気を振り絞って私の前を進んでいくものの、入り口から少し中に進むと四つん這いにならないと入れないくらい狭い岩のトンネルに遭遇。
怖すぎて完全に腰が引けてる主人。
「そうだよね、体も大きいし、狭いし怖いよね。ここはチビの私に任せてあなたは戻ってて!どんなんか見てくるから!」って言うと
「いや、行くよ、行く!」とぎゅうぎゅうになりながら進んでいく主人。
きっとめちゃくちゃ怖いはず。笑
でも、そのトンネルを越えた瞬間広がっていたのは・・
不動明王様。
そしてその奥ではすごい勢いで流れる滝が青く光ってる!!(ライトのせいではありません)
しかも、このお水飲めるのですが、めちゃくちゃ美味しい。
このお水を飲むと健康で安らかな人生が送れるんですって。
ここからさらに奥の院に行くにはまた狭いトンネルみたいなところを潜って行かなくてはなりません。
その狭いトンネルを越えた先には、今度は大きな昇り竜と下り龍が。
(もうここではまったく写真を撮る余裕もなく。笑)
いかにも観光スポットという感じのライトアップされた広々した鍾乳洞ではなくて修験道の行場とされていた小さな小さな洞窟。
もう主人は狭くて息苦しくて、ずっとソワソワしています。
「大丈夫、もうちょっとだよ!私がついてるからね!」
「ほんまになぁ。他の奴とやったら絶対入らへん!俺にこんな道進ませられるのはあなたぐらいやで。」
そう言いながら四つん這いになって体をねじりながら暗くて狭い岩の産道を進み、まさに生まれなおしを体験をした主人。
怖くてたまらないのに、後ろからついて行く私の安全も気になって仕方ないらしく「大丈夫?」と何度も振り返って懐中電灯を照らしては確認します。笑
入ってから出るまでほんの20分くらいのことだけど、まるで人生の縮図のようでもありました。
この体験をするには、大きくて有名な鍾乳洞じゃなくて、ここじゃなきゃだめだったんだなぁ。
今回の旅行のメインイベントは熊野古道じゃなくて、まさかの鍾乳洞だったとは!笑
呼んでいたのはおばあちゃん
そして私にとってのメインイベントは27歳で亡くなった私の母方のおばあちゃんのお墓参りでした。
熊野周辺はおばあちゃんが住んでいた場所なのでなんとなく呼ばれている気はしていたのですが、お宿に着いてみると思っていた以上に近いことが分かり、急遽お墓参りに行くことに。
私がレッスンの中で「女性の生き方」を伝えているのは、おばあちゃんや母の影響であり、
私にとって今回出版した本やレッスンは、祖母たちからの「命のバトン」を次に託すことなのです。
2年半前に執筆を決めた時、これを書き上げるには先人たちの力が必要だと感じて、母と一緒におばあちゃんに「力を貸してほしい」とお願いに行きました。
だから今回の出版記念旅行は、その報告とお礼を伝えに行くようになっていたのですね。
そりゃあ、沖縄や北海道には行けないわけだ。笑
宿に帰って主人とおばあちゃんの話をしていると、一匹だけ季節外れの蛍がやってきて私たちの周りをぐるぐると飛び回っていました。
ちゃんとおばあちゃんに会いに来れてよかった!
何一つ計画通りにいかなくても全ては最善で完璧
まったくの予定外だった鍾乳洞とおばあちゃんのお墓参りを終えたら、そのあとはもうずーっと雨!!笑
豪雨の2日間は主人と部屋にこもりっきりで映画を見たり、おしゃべりしたり、お昼寝したり、お部屋の露天風呂に入ったり…と一緒に暮らしていても忙しくてなかなかできない時間の過ごし方をできたのは最高に楽しかったー♡
熊野古道も、満点の星空も、ハンモックでのお昼寝も、テラスでの食事も、計画していたことは何一つ叶わなかったけど、すべてが最善で、完璧な旅でした。
あー、また行きたいな♡

2015年、主人から「仕事なんて辞めて掃除しろ」と言われ、離婚の危機に立たされます。
その状況を抜け出すべく、嫌いだった掃除と向き合っていくうちに本来の衣食住の意味や
暮らしの在り方、物事の成り立ちなどに気づいていきました。
2022年、ある出会いによって、その気づきは「日本人のDNAの目覚め」であったことが分かり、
生きとし生けるものが幸せに暮らす大和の智慧を、日々の暮らしに取り戻す「やまとごころ講座」をお伝えしています。